予防接種のおはなし

こちらのページでは、予防接種についていろいろご説明します。

B型肝炎ワクチンについて

1.B型肝炎とは

A・B・Cと三種類あるウイルス性肝炎の一つです。A型は流行性肝炎ともいわれ、飲み水や魚介類から感染し、発展途上国では蔓延していますが日本での流行はありません。B・C型肝炎は血清肝炎と昔いわれたように輸血で発症する肝炎ですが、B型は特に感染力が強く、医療行為以外に性交渉や唾液など体液による感染もみられ、保育園での集団発生も知られています。また、感染経路がはっきりしない患者さんもおられます。
感染すると発熱、黄疸といった症状で発症する急性肝炎の場合と、持続感染といって肝臓の中に一生残る場合があり、持続性感染のほとんどは出生時または乳幼児期に感染した場合で、成人の初感染で持続感染化することは免疫不全状態を除いてまれです。持続性感染の場合、10〜15%の方が肝硬変から肝臓がんを発症され、感染から肝臓がん発症を予防する意味でもB型肝炎ワクチンの接種は重要と考えられます。

2.B型肝炎ワクチン

生後2か月から接種できる不活化ワクチンです。最初は4週間間隔で2回接種、次は初回接種から20〜24週に3回目を接種して終了となります。今のところ任意接種ですが、WHOは1992年にすべての子どもが接種するよう勧告し、米国をはじめ諸外国では出生児全員が受けるユニバーサルワクチンとなっているところも多いです。乳幼児期に接種すると免疫がつきやすいといわれています。三種混合など最初に受けるワクチンがひとおり終わったら接種することをお勧めします。

水痘・おたふくかぜワクチンについて

1.水痘について

水痘は水痘帯状疱疹ウイルスによる疾患です。伝染力が強く、家族の方に水痘のお子様がおられると90%は他の子に感染します。4歳までの子どもに多く発症し9歳までにはほとんど罹ってしまう病気で、日本では水痘が蔓延していると言っていい状態です。小さい間に罹ると合併症も少なく軽症で終わりますが、保育園の子どもでは約1週間お休みしなければなりません。15歳以上では肺炎など合併症のリスクが高くなり大人が罹ると入院することもしばしばです。また、水痘ウイルスは治った後も脊髄の神経節に潜んで、年齢が進んでから帯状疱疹という形で再度発症することもあります。帯状疱疹はひどい神経痛を残したり、神経の麻痺を起したりすることもあって、水痘はできれば罹らないことが望ましい病気と言えます。

2.おたふくかぜについて

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる疾患です。4、5歳ぐらいのお子様がよく罹り、2〜3週間の潜伏期間の後、耳下腺が腫れてくるのでほっぺの痛みが出てきます。耳下腺の腫れだけで軽症の病気ですが、合併症が問題です。頭痛、嘔吐がみられる髄膜炎や大人の睾丸炎は後遺症なく自然に治りますが、おたふくかぜの難聴は3000人〜2万人に1人発症し、神経の難聴なので罹ってしまうと治ることはありません。ワクチンで予防すべき病気であると考えられます。

3.水痘・おたふくかぜワクチン

水痘・おたふくかぜワクチンは生ワクチンで1歳をすぎたら接種できます・Bお誕生日がきたらまず麻疹・風疹ワクチンと肺炎球菌ワクチンの追加接種を済ませて、次に水痘とおたふくかぜワクチンを受けるようにしましょう。
生ワクチンは1回のワクチン接種では十分に免疫ができなくて罹ることがあり、水痘は約20%のお子様がワクチンを受けていただいたのにかかってしまいます。麻疹・風疹ワクチンが1歳と就学前の2回接種するように、水痘・おたふくかぜワクチンも2回接種した方が望ましいと日本小児科学会は推奨しています(参考HP:日本小児科学会推奨の予防接種スケジュールの主な変更点)。
水痘は常に流行があり感染する可能性が高い病気なので、初回接種は1歳代、2回目は3か月以上あけて2歳までの接種が薦められています。
おたふくかぜのワクチンは、初回は1歳代、2回目は5歳から7歳での接種が薦められています。

予防接種スケジュール

赤ちゃんが誕生してから初めての予防接種、受けなければならいものはたくさんあるし、どの順番で予定を組めばいいか、悩んでおられるお母さんも多いと思います。さらに、ロタウイルスのワクチンも接種できるようになって、短期間に多くの予防接種を済まさなければなりません。当院でお勧めの予防接種スケジュールを以下に説明します。 予防接種スケジュール例(PDF:53.5KB) 予防接種スケジュールの例 ヒブと肺炎球菌は、どちらも乳児期から罹る重症な髄膜炎の原因菌です。2か月以降の早い時期から接種を始めるようにしましょう。同時接種で二種類ないし3か月からは四種混合を入れた三種類のワクチンを一度に接種すると、予定を組みやすくなると思います。
BCGは平成25年度から彦根市は個別接種となって、接種時期は5か月から8か月が標準的な接種期間と変更になりました。BCGは乳児結核を予防するためのワクチンなので、できるだけ早い時期に受けることが望ましいです。ヒブや肺炎球菌、四種混合ワクチンが終わって、ないしは同時に、5か月になったら早めに接種するようにしましょう。
お誕生日が来たらMRワクチンを受けて、おたふくかぜと水ぼうそうのワクチンも1歳の間に受けるようにしましょう。ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンの追加接種もこの時期に接種となります。
ロタウイルスワクチンは経口接種のワクチンで、2回接種のワクチンは生後6週から24週まで、3回接種のワクチンは32週までに済まさなければなりません。ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンと同じ時にロタワクチンを飲むような予定を立てるといいでしょう。
B型肝炎ワクチンは生後2か月から接種できます。できるだけ早い時期からの接種開始が望ましいワクチンなので、接種を予定される方はヒブや肺炎球菌ワクチンと同時に始められるのがいいと思います。
当院のワクチンスケジュールは日本小児科学会が推奨する予定に沿って作成しました。学会のホームページhttp://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_110427.pdfに予定表がありますので、一度ご参照ください。