藤野こどもクリニック

 家庭看護と応急処置 

経口補水療法(ORT)について

1.ウイルス性胃腸炎に伴う下痢・嘔吐
ノロウイルス・ロタウイルスによる胃腸炎は、お腹にウイルスが感染し下痢・嘔吐がみられる病気です。ウイルスが胃腸で増殖し、増えたウイルスが次の感染先を探しに体の外へ出るため下痢・嘔吐という症状が現れます。ウイルスが全部体外に出るまでは嘔吐が止まらないので、吐き気止めは効きません。嘔吐がよくなるまで脱水予防が治療の中心になります。

2.経口補水療法(ORT)
発展途上国のコレラの治療で注目された方法で、中等症までの脱水症では点滴と治療効果に差がありません。経口補水液(ORS)といわれる、塩分濃度の高い飲み物を少しずつとって脱水を治療します。お茶や市販のスポーツドリンクなど塩分濃度が少ない飲み物は、せっかくとっても水分として体の中に残らないので、脱水の改善には効果が少ないのです。

3.経口補水療法の実際
胃腸炎の初期は嘔吐が強くてどんな水分をとっても吐いてしまいます。嘔吐だけですぐに脱水になることはないので、吐き気が少し落ち着いてから水分を取り始めます。飲み方は、一度にたくさん飲まないこと。赤ちゃんならスプーンで一さじずつ、幼児ならコップでひと口ずつ、10分~15分毎に繰り返し飲ませるようにしましょう。

4.ORTに適した飲み物
嘔吐の始まった時にはお茶やイオン飲料だけでも十分ORTになります。下痢がひどく長引いた時などは体から塩分が大量に奪われていて、イオン飲料だけではORTにならない時があります。塩分補給の意味で、みそ汁やスープなど味の濃いものをイオン飲料などの合間に飲ませてあげるといいでしょう。市販でORTに適した飲み物にOS-1があります。薬局でお薬をもらう時に、一緒に購入されてもいいと思います。

5.ORTでもよくならない
特にロタウイルスの胃腸炎は症状が重く、ORTでも脱水が追いつかない時があります。水分を取っても顔色がよくない、水分が十分取れなくなってきた時は必ず診察をうけましょう。

発熱時の対応 ~解熱剤の使い方~

1.発熱に対する基本的な考え方
発熱はウイルスや細菌に対抗する体の反応のひとつです。体がウイルスと戦っているので熱は下げる必要はないと言っている先生もおられますが、熱がお子様の負担になっていることも多いので、熱を下げてあげた方が楽かな、という時には解熱剤を使っていただいた方がいいと思います。

2.解熱剤の使うタイミング
お薬をもらわれた時には、38.5℃以上の時に使うよう書いてあると思いますが、38.5℃あれば熱を下げなければならないことはありません。お昼間で39℃あっても遊ぶ余裕のある時は様子を見て大丈夫です。熱があって水分を摂るのもしんどそうな時は解熱剤を使っていただいた方がいいと思います。

3.解熱剤の使い方
1歳前後のお子様は坐薬がいいと思います。2歳以上で坐薬を入れる時に嫌がるお子様には飲み薬を処方していますが、夜間に寝ているのを起こしてまでお薬を飲ませるのは難しいので、昼間は内服、夜は坐薬という使い方がいいと思います。

4.熱のある時のお風呂は?
熱があってもお風呂は大丈夫です。熱があるのにお風呂でさらに熱が体に加わって体力が消耗しそうな時は止めてください。

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